シュチタEP.5:グレーエリアのアーティストたち

 今さらだけどシュチュタのTablo氏がゲストだった回がとても良かったので忘れないように書き留めておく。ユンギやナムさんのロールモデルになったEPIK HIGH。つい最近ナムさんのソロアルバム”indigo”でTablo氏とコラボしたり(All Day)ユンギがエピカイに曲を提供したり(Eternal Sunshine)ナムさんがTablo氏著書のサイン本をめちゃくちゃ嬉しそうに抱えている写真も過去にあったりして、リスペクトして大好きな気持ちは伝わってはいたけど、どれくらい仲が良いかは分らなかった

 始まってそうそうユンギのねんどろいどにサインをねだるTablo氏。フィギュア収集家ではないユンギだから、本体にサインをしようとして「いや、開けないでいいよ!箱にサインして!」と箱で飾るタイプのガチ収集家さんは、ユンギのロールモデル(箱は永遠に開けない)(かわいい)

👤「じゃあ僕は必要な物はもらったから……」

🐱「帰るんですか」

👤「帰るね」

 こんな風に互いに軽口を叩くなんて絶対に仲がいい!!(大号泣)ジンニムのナムギルさんもそうだけど、気心しれまくった人が周囲にいると勝手に嬉しくなる。

 Tablo氏が持参したのは黒ビール、アイリッシュウィスキー、ベイリーズアイリッシュクリームのアイリッシュボム三点セット。このお酒ですぐさま思い浮かぶのはマルタのヤンコチで、ユンギもその話をしていたけどTablo氏とユンギの間にもハンナムドンで飲んだくれたアイリッシュボムの思い出があったんだ。

■忘れ去られることを忘れる

👤:少し疲れたり大変なことがあった時に僕にメッセージをくれるでしょ?『Tabloさん、僕”White Night"を聴いてるんですけど、これ聴くとまた…』そう話してくれることが時々あるよね。それは本当にありがたい。正直、以前のようにテレビ出演が多いわけではないし、そういう話を聞く機会が多いわけでもないし、子供もいて忙しいから僕が忘れられてるかもしれないという事実さえ忘れてしまうことが多いんだ。でもユンギからそういうメッセージを送ってくれると、忘れられていたのがまた忘れられていない人になる感じがして本当に感謝してる

 バンタンは一時期(もしくは一部のメンバーは今でも)忘れ去られることに対して恐怖心があった。Tablo氏は真逆で「忘れ去られてることも忘れてしまう」

 少し難しいけどTablo氏はミュージシャンではないイ・ソンウンとして普段は暮らしていて、ユンギがメッセージを送ることによってアーティストとしてのTablo氏に引き戻してくれるってことなのかな。忘れ去られても怖くないのは私生活が充実している証拠だから個人の幸せとしてはとても正しいけど、表現者としては少し間違っていて、未だに彼の曲を何度も聞いているユンギは、一番身近にいる現実味のある存在証明になっているのではないだろうか。ユンギのように成功したオタクじゃないから私たちが直接面を向かって本人に伝えることはできないけれど、バンタンの音楽を聴くことによってユンギの存在を証明できることと似てる。根っからHigh-SchoolなユンギもきっとTablo氏にとってはProofなんだ。

シグネチャサウンドの必要性

 ”Eternal Sunshine”は容易に出来上がったものの、シグネチャサウンドを入れ忘れたユンギ。マスタリングまで終わっていたのにやり直してくれたのは(現場は相当大変だったと思うけど)寛大なエピカイの愛だ。

👤:大抵の場合、僕が作った曲なのに大半の人が知らないんだよ。僕が曲を提供してそれが1位になったんだ。『あの曲いいよね』って話してるんだけど、誰も僕が作ったことを知らない。もし曲の冒頭に『Tablo~~~』って入っていたら…(作曲者が世間に分かるけど)でも時が経てば経つほどに僕の音楽を聴いた時に『これはTabloが作った曲かな』ってカラーが分かって(知れて)くる、そうなるべきだと思っていたしそうなっていったんだよ

 シグネチャサウンドは曲の名刺だけど、入れなくても曲調で誰が作ったと分かる。最近ユンギが入れなくなったのは自分のカラーが確立していったからじゃないか、という話。これってめちゃくちゃかっこいい。ユンギが作るビートやメロディ自体がシグネチャサウンドなんだ(シュガァ……も好きだよ)

■グレーエリアにいる人たちの寂しさ

👤:こっち(大衆音楽)に行けば悪く言われて、こっち(HIP-HOP)に行けば悪く言われて、人は本当に分けたりラベルを貼るのが好きだよね

🐱:すごく極端に黒と白だけが存在するかのように話すけど、実はグレーの人の方がはるかに多いと思うんです。でも黒と白が強い主張をするからこれが大勢の人の意見だと勘違いしてしまう。その当時悪く言ってた人たちは本当に黒と白の両極端にいた人だけで、ほとんどの人はその音楽を聴きながら楽しく感じて、この音楽自体はすごく良いと感じていたんだと思う

👤:そうだね、それにどちらかを選んだ方がより寂しくないと勘違いするのかも。ユンギが言ったこのグレーエリアは実は思っているより寂しいんだよ。なぜならこのエリアにいる人の特徴はあまり(気持ちを)表に出さないんだ。そこの中にいると『自分だけこうなのかな?』『誰も自分のように思わないのかな』そう考えると思うんだけど、実はグレーエリアにいる人の方が多い。だからこそ僕に出来ることは『君はけして一人じゃないよ、恐れないで』って言ってあげたい

 めちゃくちゃ共感してしまったので太字にしてしまった。黒も白も分りやすい色だから簡単に説明できるし人も理解できる。分りやすい考えは言いやすいから声も大きくなる。でもグレーは説明しにくい。頭の中にある言葉や感性をかき集めて人に伝えなければいけないので労力もいるから、面倒くさくなって黙ったり伝える前に早々に諦めたりする。グレーエリアの中でも共感は必要ないという人も一定数いるけど、そんな人は極わずかで人間の心理的には同調を好む人がほとんどだ。黙れば同調は得られず、自分の考えが正しいのか分らなくて揺らいだりもする。色んな側面から見ると物事のほとんどは黒と白に分かれることなんて稀なのに、声の小ささでその意見はないものになる。

 ユンギが「BTSはエピカイが作ったグループ」とナムさんとよく話しているって言ってたけど、エピカイもきっとグレーエリアの人たちで、音楽というツールを使ってランチランダだったナムさんと、グロスだったユンギに手を差し伸べた。そこに惹かれたユンギもナムさんもグレーエリアにいた人で、バンタンの音楽に共感できた私もきっとグレーエリアの人間なんだ。

 

 収録後、後輩と食事に行くというミンシュガさん。Tablo氏を誘ったけど愛娘ハルちゃんの宿題を見るという理由で断られてしまった。Tabloさんの子煩悩ぶりにちょっと呆れている顔を見て、当分は結婚はなさそうだなと思わせるシュガさんでした。

追記:Tabloさんの娘さんの名前がハナちゃんでこの本を思い出した。地球外から主人公のハナに惚れた宇宙人が、付き合っていた彼氏の身体を交渉して乗っ取り(彼氏は軽く了承)ハナをめちゃくちゃ愛し続けるラブストーリー。SFすぎないしぽかぽかするような話だったのでおすすめです。ハナは韓国語で「一つ」という意味なんだけどTabloさんにとってハナちゃんも地球でハナだけ、なんだろうな。

 

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 身体も心も健康で自分を愛してくれたらそれだけで幸せだけど、やっぱり少し欲深いところがあるので、かわいくてごめんをチュお願い(切実)

 

 

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